2012年6月9日土曜日

[06/08]FIRE BALL 運命の出会い 2

こんばんは!
日本との時差はマイナス19時間のここハワイからお届けします。

昨日に引き続きFIRE BALLとの出会いについて。その2です。



FIRE BALLとの出会い(2)


親友から借りたカセットテープに収録されていた、いわゆる「ジャパニーズ・レゲエ」の曲は始めの2曲だけだった。1曲目はHOME GROWNの「Oasis」。日本を代表するレゲエ・バンドの発表した、ジャパニーズ・レゲエを代表する名曲である。一応言っておくと、これは言いすぎでも何でもない。もし僕が「ジャパニーズ・レゲエ」ってなんですか、って尋ねられたらまずこの曲を差し出すだろうし、10年以上前の曲だけど、未だに日本のレゲエとはどういうものなのかをレペゼンしている作品だと感じるのだ。
もちろん当時はこの曲がどんなにすごいバンドの代表曲で、どんなにすごいアーティストたちが集結して作られたかなんて考えもしなかったけど。

カセットテープを買ってもらったばっかりのMDコンポに挿入し、Oasisを初めて聴いたときは素直にいい曲だな、この雰囲気いいなーと感じた。まぁ驚きがなかったと言えばそれまでだけど、逆に言えば自分の想像していた、「レゲエ」という音楽を日本人が演ればどうなるか、をそのまま分かりやすい形で表現していたからだと思う。「日本のレゲエってこんなカンジなんだー」っていうのを理解するために、これ以上の作品はないと未だに感じる。そう考えると1曲目がHOME GROWNでしかも「Oasis」だったってのはすごい幸せだったのかも。

そして、Oasisの余韻が未だ室内に残る中プレイされた次の曲は、たった今自分の中で構築された「日本のレゲエ」というイメージをあっさりと、かつ根底から覆すものだった。独特のテンポとリズム、Japanese HIPHOPのそれとは明らかに違う押韻の連続。それに加えてメロディアスなハーモニーはこれまでに聴いてきたようなものとは、あまりにも音楽性が異なるように感じた。これが本当にさっき聴いたジャパニーズ・レゲエ??全然違うよ、全然。これがどのジャンルなのかとか、どのグループの曲なのかは全く想像もつかないけど、とにかくこの耳にまとわりついて離れないような、くせになる感覚はどう説明したらいいのだろう??

次の日学校に登校してすぐ、僕はこの曲について彼に尋ねた。
彼は、FIRE BALLというジャパニーズ・レゲエのアーティストの、「Light Up the Fire」という曲だと教えてくれた。







FIRE BALLというアーティストを認識して以降、彼らの音楽にのめり込むまでにそう時間は掛からなかった。既に発売されていたファーストアルバム「火の玉」を当然の様に手にすると、自分が感じた衝撃が一過性のものではないことをすぐに確信することができた。「BRING IT ON」はFIRE BALLの初代・代表曲とも言える作品で、日本に音楽フェス等での「タオル回し」を一般に定着させた曲でもある。「DANCING MOOD」は、個人的にFIRE BALLの楽曲の中でも5本の指に入るくらい好きな曲だ。その他にも、僕が感じたような「衝撃」を感じさせる印象的な楽曲が多いのが特徴のアルバムと思う。

火の玉を聴いて以後すぐ発売された、「BOOK OF LIFE~炎の章~ 」にも案の定ドハマりした。「Light Up the Fire」が収録されているアルバムなんだけど、とにかく完成度がハンパない。Introから最後の「JUNGLE ROOTS」まで、「捨て曲がない」とはこのアルバムのためにあるのではないかと思うほどの名作だった。個人的にはFIRE BALLの歴代のアルバムの中で、最高傑作であると推薦しておきたい。

と、このようにFIRE BALLにドハマりして以降は、ジャパニーズ・レゲエ自体にも自然と関心を持つようになった。既出のHOME GROWNはもちろんのこと、RYO the SKYWALKER、PUSHIM、MOOMINに三木道三など、挙げればキリがないほど。こんなにも魅力的な音楽をなぜこれまで完璧にスルーしてきたのかと、首をかしげたくなるほどジャパニーズ・レゲエのシーンは成熟しているように思えた。当時の音楽シーンにおいてJapanese HIPHOPの快進撃は昨日の投稿で述べたばかりだが、改めて見てもそれと遜色がないようにしか見えなかったのになぜレゲエはこれだけ注目度が低いのか??

いま思うと、「成熟しているように見えたレゲエ・シーン」は、数年後に来る「レゲエ・ブーム」に向けたカウントダウンの最終段階だったように思う。溜まりに溜まったマグマが一気に噴き出るような、そんな爆発力と可能性を、当時のジャパニーズ・レゲエからは感じられた。

そして当時のレゲエファンからすると当然のように思われた、待ちに待った「レゲエ・ブーム」が、僕のFIRE BALLに対するイメージをがらっと変えてしまうとは、このときの熱狂的なFIRE BALL熱、そしてレゲエ熱に完全に侵されていた中学3年生の僕には到底想像することすらできなかった。




まだ続きそう・・。
また明日!

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