2012年6月11日月曜日

[06/10]FIRE BALL 運命の出会い 4

こんばんは!
オバマ大統領の出身校プナホウスクールがあることでお馴染みの、ここハワイからお届けします。

その1その2その3に続きその4!
運命の出会い完結編。


FIRE BALLとの出会い(4)

無事大学に進学することができた僕は、「アングラ志向」を日々強めていた。「音楽はメディアへの露出度や売り上げで評価されるものではなく、リリックの中身で評価するべきだ」とかなんとか、まるでダークサイドに堕ちたアナキンのようにどんどん深みにハマっていった。

そんな僕に新たな価値観を与えてくれたのは、別の高校に通ったことで暫く疎遠になっていた中学時代の友人たちだった。僕が高校3年間で深くレゲエにのめり込んで行ったのと対照的に、彼らはよりヒップホップに傾倒するようになっていた。お互い高校を卒業すると再びツルむ機会が増え、現状のレゲエシーンに納得がいかなかった僕は、彼らが情熱を持って話す日本のヒップホップシーンに興味を持つようになった。韻踏合組合、般若、DABO、SEEDA、SHINGO☆西成、ANARCHY・・・3年前と比べて日本語ラップのシーンはより重厚さを増しており、その魅力に再び取り憑かれるまでにそう時間はかからなかった。

特に影響を受けたのが般若、DABOの両アーティストだろう。般若のリリカルで、かつユーモアに溢れたスタイルにはすぐ虜になった。「やっちゃった」でおちゃらけたスタイルを見せつけたかと思えば、「理由」や「最ッ低のMC」でシリアスなラップを披露することもできる。硬軟織り交ぜながら、決して軸はブレないパフォーマンスは、「俺が求めていた音楽はここにあるんだ」と確信させた。
また般若について関心を抱いたのは、旧友からの推薦だけではない。現代におけるジャパニーズヒップホップシーンの最重要人物、DABOのブログからの影響がとても大きかった。彼はそのリリカルな才能を日本語ラップというフィールドだけでなく、ブログという一般的な発信の場においても遺憾なく発揮していた。というかこの昔語り調の記事もそのブログの影響を多分に受けたりしてて・・パクリちゃうサンプリングや!とだけ言っておきます。笑
そのブログ内の記事でより般若の魅力を知ることができたのだが、同時にアーティストとしてのDABOにも強く惹かれるようになっていったのだった。

ジャパニーズヒップホップの魅力を知るにつれ、よりレゲエからの乖離は進んだ。レゲエアーティストの新譜をチェックするより前に、般若の新譜を購入している自分がいた。ヒップホップのイベントにも顔を出すようになった。SHINGO☆西成の男気に惚れた。目の前で見た般若のパフォーマンスは、自分の人生で最高のライブだと感じるくらい最高だった。僕は既に心も体も、ジャパニーズヒップホップに毒されていた。




一方で、完全にヒップホップへ関心が移っていた当時でも、未だFIRE BALLへの興味が失せるコトはなかった。ジャパニーズヒップホップへ傾倒しつつも、並行してレゲエの情報をチェックし続けていたのも事実。JUN4SHOTがアーティストとしてではなくIrie Lifeのデザイナーとしての活動をメインとして行っていたとしても、「FIRE BALLはまだ終わっていない」という気持ちの方が若干上回っていた。

そんな祈りにも似た気持ちの中、大学2年も終わりを迎えようとした2009年冬、彼らは3年ぶりのフルアルバム、「Don’t Look Back」を発表した。(2007年のベストアルバムを挟んで、だが)
無論、前作の出来(というかBIRDMAN)からみてほとんど期待はしてなかった。プロモーション的にもイマイチインパクトに欠けるのでは?とすら感じていた。

ただ・・。





Don't Look Backがすげー良かった。





これは本当に、聴く前の期待を良い意味で完全に裏切られた。
まずイントロからこれまでのFIRE BALLのそれとは変えてきていた。詳しくは歴代のアルバムを手にとって実際にその違いを感じてほしい。そのためのアマゾンのリンクである。笑
2曲目の「In da club」はレゲエがまだまだ下火だった頃の、ギラギラしたFIRE BALLを思わせるような、そんな懐かしさにも似た感情がこみあげてくるのを感じた。この曲が実はこのアルバムで一番好きだったりする。その後は「SUPERSTAR」のDOIRemixに「LOVE REGGAE MUSIC」などリスナーの耳を飽きさせないまま9曲目の「ヤーマン刑事」まで、とにかく完璧な構成で続いていく。
その後の各メンバーのソロ曲で一旦落ち着く感は感じるが、TEARDROPSで再びファンの注目をがしっと掴んで離さないのは流石である。(まぁ最後のDon't Look Backはそっ閉じでおk)

後半はさておき、アルバムとしてのDon't Look BackはとにかくこれまでFIRE BALLに感じていた不信感を払拭するには十分の内容だった。個人的には二枚目の「BOOK OF LIFE~炎の章~」に次ぐ好きな作品になるくらい、その完成度は高かったと思う。
翌年に発表した「ZERO」も申し分ない内容だった。
というか2010年は個人的には、MIGHTY JAM ROCKの10周年作「3 THE HARDWAY Ⅹ」がめちゃくちゃ良かったし(特にRub A Dub Westernは神懸かってる)、RYO the SKYWALKERの「RHYME-LIGHT」と「#RSW10th」もめちゃくちゃ聴いた。BIG BEAR「RAGGASTAR」もとにかくよく聴いたなぁ。
大学を卒業するころには、すっかり元のレゲエ好きに戻っていた。





レゲエを好きになる様になったきっかけ。レゲエから離れるようになったきっかけ。そして再び、ますますレゲエを好きになる様になったきっかけを作ってくれたアーティスト。
それが、FIRE BALLなのだ。
一時ファン離れを起こしたけれど、やっぱり僕の人生の中で一番大好きなアーティスト。これから先は一度も目を離すことなく応援し続けていけたら、と思う。

そんな彼らは今年2012年、結成15周年の節目を迎える。
これは奇しくも、僕がFIRE BALLを追っかけてからちょうど10年となり、なんともガイダンス!
この不思議な縁もあり、今年の15周年アルバム「NEW ERA~Call This Love~ 」の東京ツアーファイナルに参戦することにしました。2006年に沖縄でSOUNDS OF REVOLUTIONのツアー行って以来だから、こちらは6年ぶりのワンマンライブ参戦。
一か月を切って今からとてもワクワクしております・・!
FIRE BALLの15周年を現地で見届けてきます!

ちなみにCall This Love最高。



・・とまぁそんなこんなで4日に渡って更新してきたFIRE BALL運命の出会いについて。
個人的な10年間の記録を稚拙な文章でタラタラと今日まで続けてきたワケですが、通して読んでくれた方がいたらそれはとても光栄ですし、一度でも目を通してくれた方も含めて全ての読者にこの場で感謝申し上げます。今回の昔語りスタイルはずっとやってみたかったのですが、実際にやってみると非常にエネルギーを使って大変でした。泣 ・・が、個人的にはすごい勉強になったしやってよかったなぁと思ってます。クオリティがアレなんでもし次回やる機会があれば、そのときはもっと魅力的な文章を書けるように頑張りたいと思いますが。

とにかく!ここまで自己満足につきあって下さりありがとうございました~!

では、また明日。

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